京都大学大学院工学研究科 分子工学専攻 触媒反応化学 寺村研究室

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大学院生募集

他大学からの進学を考えている方へ

当研究室では、学内外を問わず,幅広い分野から大学院生を募集しています.
興味にある方はお気軽にお問い合わせください.
研究室見学は随時可能です.

教授:寺村謙太郎(メール|teramura.kentaro.7r@)
メールアドレスの@以下は @kyoto-u.ac.jp になります.

 

【修士課程への進学】

他大学から修士課程へ進学するには,大学院の入学試験に合格しなければなりません.我々の研究室は「京都大学・大学院工学研究科・分子工学専攻」に属しています.分子工学専攻は物質エネルギー化学専攻,合成・生物化学専攻と先端化学専攻群を形成しています(定員については修士課程学生募集要項(全体版)の4ページを参照してください)

分子工学専攻HP

先端化学専攻群HP(過去問もこちらにあります)

もちろん,田中()・寺村研に四回生で配属される学部学生はほぼ同じ研究室での修士課程進学を希望しますので,希望の配属になるためには上位の成績での合格が必要です.ただ,分子工学専攻はもともとの成り立ちが大学院だけの独立専攻だったこともあり,構成される研究室の数に比べて大学院の定員が他の専攻に比べて少し多めです.そのため,外部からの受験でも希望研究室に配属される可能性は大いにあります.

また,研究内容に興味があるのであれば,同じような不均一系触媒(固体触媒)の研究を行っている他の研究室(他大学,同じ京大でも他専攻)をよろこんでご紹介します.同じ志を持つ仲間が増えるのは大変うれしいことです.まずは寺村まで連絡をいただければ対応いたします.

202329日 文責 寺村 謙太郎)

 

【博士後期課程への進学】

他大学から博士後期課程への進学を考えた時に最も心配なことは「本当に3年で学位が取れるか?」と「(在籍時および卒業してから)生活していけるのだろうか?」の2点だと思います.もちろん,単純に研究が楽しいとか,何かを明らかにしたいとか,学問と真剣に向き合いたいという気持ちが重要なのですが,実際に進学した際にやっていけるのか心配になると思います.

■本当に3年で学位が取れるか?

いえいえ,必ず取っていただきます() 

そのために教員はいますし,そのような指導をしているつもりです.もちろん,例外もあって過去にオーバードクター(一般的な博士後期課程の期間は3年)をした学生はいましたが,学位取得時期を延ばしたのは当人の希望もあって,その後就職も決めています.

当研究室では少なくとも5から6章で構成された学位論文を作っていただくことになります(序論や概略説明は別です).1章がFull paper 1報分と考えていただいてよいと思います.3年間でFull paper5~6報書くのは結構至難の業です.私の時は「目標は10章ね」と軽く言われたものですが(結局,8章でした),私は学部四回生から同じ研究室にいたので,実質6年間の結果です.この覚悟があるかどうかがまずは第一関門です.

まず,3年で目標の成果を出すためには,単に自分がやりたいことをテーマにするだけでは難しいことを理解しましょう.次に,我々からも研究テーマ提案をしますのでご心配なく.我々にはこれまで研究室で行ってきた膨大な研究データや指導経験がありますので,それなりに筋のいい研究テーマを作ることには慣れているつもりです.また,このように複数のテーマを同時並行に進めるのはかなり難しいことなので,修士課程や学部四回生に一部を担当していただくこともよくあります.このような過程で,

・発想力| 自分からの研究テーマ設定
・実行力| 新規・既存の研究テーマの実行と解決
・対話力| 共同での研究テーマへの対応(教育を含む)

を高めることこそが,博士の学位をとった後に重要になると信じています.あとは自分で研究費が稼げたらおそらくアカデミアとしてやっていけるでしょう.

博士の学位はよく「足裏についた米粒」と言われます.すなわち,取っても食えないけど,取らないと気になるというわけです.運転免許証と同じで,取らなくても研究(運転)はできますが,自己流は危険極まりないですね.私は博士後期課程の学生を研究者見習いだと思って教育しています.我々の研究室で博士の学位を取得した18名中16名がいわゆるアカデミアとして大学や国研で研究活動を続けています(2名は自分の希望で企業を選びました).アカデミアとして研究者人生を送るためには,好奇心をベースとした研究テーマ設定と解決方法の提案と実行ができることが前提で,それに加えて学生への教育(もちろん,後進を育てることも含んでいます)ができることが必要です.

我々の想像している博士像とあなたの想像している博士像は一致していますか?もし,一致しているのであれば一度研究室を訪問してみてください.我々の研究室のドアはいつでも開いています.

202329日 文責 寺村 謙太郎)

■生活していけるのだろうか?

これは世間でよく言われていることですね.実際の生活については,博士課程在籍時も博士の学位を取得後も気になりますね.まずは博士課程在籍時について解説しましょうか.現在,我々の研究室に属した場合,以下の2つの方法で生活費を賄うことができます.

1)日本学術振興会・特別研究員
月額 20万円(給与),研究費100万円程度

2)京都大学大学院教育支援機構SPRINGプログラム
月額 18万円(研究奨励費|生活費相当額及び授業料半期額支援),研究費40万円程度

次世代研究者挑戦的プログラム(京都大学大学院教育支援機構プログラム)
マテリアルイノベーションを創出する未来人材育成フェローシップ
は上記の京都大学大学院教育支援機構SPRINGプログラムに統一されました.

幸いなことに我々が属しているグループ(専攻など)の博士課程学生は1か2のどれかに採択されている状況です.国の政策もありますが,科学技術関連の博士課程学生は優遇されている印象です.これらの給付を受けられない場合は,日本学生支援機構や財団などの奨学金(返済が必要なのでこれを奨学金と呼ぶことには抵抗がありますが...)に申し込むことになります.

一方,博士の学位を取得した後ですが,「本当に3年で学位が取れるか?」のところでも書いたように,卒業生のほとんどがアカデミアで職を得ています.これを偶然とみるか,必然とみるかは難しいところですが,今のところは我々の教育成果を世間は認めてくれているようです.我々は研究室に籠って研究に邁進するだけでは将来の研究者は育てられないと考えています.博士後期課程の学生だけはなく,すべての学生に学会やセミナーに積極的に参加して,見聞を広げることを奨励しています.もちろん,そこで発表することも重要ですが,思い切って手をあげて鋭い質問してみましょう.すぐに顔と名前を覚えられますよ.また,積極的に懇親会に参加していただいて,他大学・所属の方と交流を深めるように指導しています.

昨今,大学や大学院を卒業した後に職を得るということ(いわゆる就職活動)のみにフォーカスがされていて,自由に研究をするという幸福が忘れ去られているように感じます.あなたが博士後期課程に進んで,研究者として人生を歩みたいと感じているのであれば,我々は全力でサポートします.

(2023年2月9日 文責 寺村 謙太郎)
(2024年5月13日 追記・変更)

■当研究室の卒業生の進路(留学生を除く)

博士01号|名古屋大学(助手・助教授)→ 京都大学(教授)
博士02号|名古屋大学(助手・助教授)→ 大阪公立大学(教授)→ 名古屋大学(教授)
博士03号|京都工芸繊維大学(助手)→ 埼玉工業大学(准教授・教授)
博士04号|東京工業大学(助手) → 九州大学(准教授) → 同志社大学(教授)
博士05号|東京工業大学(助手) → 京都大学(助教) → 徳島大学(准教授)
博士06号|静岡大学(助教,准教授)
博士07号|東京大学(助教)→ 京都大学(助教・講師・准教授・教授)
博士08号|北海道大学(助教) → 北九州市立大学(講師・准教授)→ 東京都立大学(教授)
博士09号|龍谷大学(助教) → 東京大学(助教) → 東京都立大学(教授)
博士10号|名古屋大学(助教) → 熊本大学(准教授)
博士11号|東京工業大学(助教) → 北海道大学(准教授)→ 大阪大学(教授)
博士12号|名古屋大学(助教) → 京都大学(助教・講師)→ 近畿大学(講師)
博士13号|日本触媒
博士14号|京都大学(助教)
博士15号|産業技術総合研究所(研究員)→ 東京工業大学(助教)→ 京都大学(講師・准教授)
博士16号|龍谷大学(助教)→ 東京都立大学(助教)
博士17号|三菱ガス化学
博士18号|東京都立大学(助教)