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研究室配属および大学院進学を希望するみなさんへ

我々の研究室では”有機化学”と“光化学”をキーワードに研究を進めています。

 研究室配属された学生のみなさんは大部分の時間(7~9割)をポルフィリンなどの機能性有機色素や共役ポリマー、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのナノカーボン、ナノ微粒子の誘導体、集合体、およびそれらの連結分子の有機合成と精製に費やします。この過程で、基本的な有機合成と精製の技術を身につけることができます。

 目的化合物が合成できると、その構造をNMR、マススペクトル、赤外スペクトル、元素分析、X線結晶構造解析などによって同定します。さらに目的化合物および電極上の集合体(有機薄膜)の物性を分光学的手法(吸収スペクトル、蛍光スペクトル、光動的散乱)、 電気化学的手法(サイクリックボルタンメトリー)、光電気化学的手法(電流・電圧特性、作用スペクトルなどの光電変換特性)、表面科学的手法(原子間力顕微鏡,透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、X線回折)により評価します。この過程で基本的な装置の取り扱い、データの解釈、実験の進め方を学びます。フェムト秒から秒レベルに至る時間領域の光物性は研究室内過渡吸収測定装置の利用、あるいは国内外の共同研究によって明らかにします。

 自分自身が国内外の共同研究先に出向いて、みずから合成実験や物性測定を行い、これらの技術を習得することもできます。

【今までの派遣先】

平成16年度:フランス(2ヶ月)、イスラエル(3ヶ月)
平成17年度:イタリア(2ヶ月)、米国(2ヶ月)、日立製作所(1週間)、東北大学(1週間)
平成18年度:台湾1名派遣(3週間)、スウェーデン(2ヶ月)
平成19年度:スウェーデン(2ヶ月)、米国(3ヶ月)
平成21年度:米国(2ヶ月)
平成22年度:フィンランド(2ヶ月)
平成24年度:フィンランド(2週間)
平成30年度:フィンランド(2週間)
令和元年度:フランス(3ヶ月)、米国(3ヶ月)

 以上の成果がまとまれば、国内外の学会(光化学討論会、基礎有機化学討論会、日本化学会年会、フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム、米国電気化学会(英語での口頭発表)など)や原著論文で発表します。

 この一連の作業によって、研究の進め方、プレゼンテーションの仕方、学会発表、論文作成の仕方を学ぶことができます。また、研究内容が学際的であるために、国内外の国内外の物理、生物、化学の様々な分野の研究者と共同研究を行う機会が多いのも本研究室の特徴です。たとえば、国内外から学生を短期間受け入れて、一緒に共同研究を行ったり【ソウル国立大学、ヨンセイ大学(韓国)、タンペレ工科大学(フィンランド)、カスティージャ・ラ・マンチャ大学(スペイン)、フィリピン大学(フィリピン)など】、院生自らが英語の研究発表を行ったりします(フィンランドタンペレ大院生レベルとの共同セミナー)。このような交流を通して、研究の視野を広げ、国際感覚を磨くことができます。

 外部からの進学希望者(大学院修士課程・博士課程)も歓迎しますので、今堀までご連絡ください。

【外部からの大学院修士課程への進学者】

平成15年度:京都工芸繊維大学から1名
平成17年度:同志社大学から1名
平成18年度:神戸大学から1名
平成19年度:立命館大学から1名
平成20年度:同志社大学から1名
平成21年度:名古屋大学から1名
平成22年度:京都工芸繊維大学から1名
平成23年度:中国江南大学から1名
平成24年度:台湾精華大学、韓国ソウル市立大学、群馬高等専門学校、東京農業工業大学から各1名ずつ
平成29年度:東北大学、兵庫県立大学、中国東南大学から各1名ずつ
平成30年度:九州大学、北九州高専から1名ずつ
令和二年度:中国中南大学、中国天津大学、中国東南大学から各1名ずつ
令和四年度:大阪大学・奈良女子大学・京都工芸繊維大学・中国東南大学から各1名ずつ

過去の指導学生の就職先

大学教員(京都大学、大阪大学、九州大学、北海道大学、奈良教育大学、慶応大学)、博士研究員(ジュネーブ大学)、東レ、富士フイルム、昭和電工、JFEスチール、住友電工、日本触媒、三菱電機、三菱商事、関西電力、JNC、DIC、三菱ガス化学、積水化学工業、新日鉄住金、豊田自動織機、ニプロ、クラレ、特許庁、大阪市立工業研究所、ゴアテックス、NTT、旭化成、花王、シャープ、住友ゴム、テルモ、三井物産、JX日鋼日石エネルギー、三洋化成、カネカ、塩野義製薬、三菱化学、パナソニックライティング香川、三菱マテリアル、日産化学、三井化学、サムソン、日産自動車、パナソニック、佐藤製薬 など

今堀博研究室

〒615-8510京都市西京区京都大学桂
京都大学大学院工学研究科分子工学専攻
A4棟B1階001~005号室