こんにちは、M2の田口です。
2025年9月24日~25日に開催された放射線化学討論会に参加したことを報告します。
放射線化学討論会は放射線化学学会の年会に位置づけられる学会で、第65回目となる今回は、理化学研究所 仁科加速器科学研究センター(埼玉県和光市)にて行われました。
今回は、私・田口とM1 井上さんの2名で参加し、共著者としてそれぞれ口頭発表を行いました。私たちは普段、他施設の加速器で加速された高エネルギーイオンを用いて有機ナノ材料の作製に取り組んでいます。そのような私たちにとって、本センターを実際に訪れ、学会発表に参加できたことは、非常に刺激的な経験でした。
学会での口頭発表は初めてで緊張しましたが、興味を持って質問してくださる方が多く、新たな課題も見え、今後の研究に向けた意欲が高まりました.
また、懇親会では多くの方と交流することができ、研究分野の広がりを実感する貴重な機会となりました。
普段はニッチな印象を持たれることの多い放射線化学ですが、関連分野には、放射光化学、レーザー化学、プラズマ科学、原子分子衝突、陽電子科学といった学際領域に加え、ナノテクノロジー、高分子科学、デバイス物理、医療などの境界領域も含まれています。今回の討論会を通して、放射線化学が非常に幅広く、かつ魅力的な分野であることを改めて実感しました。
和光市駅から理化学研究所まで続く「ニホニウム通り」。元素番号1番から118番までの元素プレートが路面に埋設されています。
現在の仁科加速器科学研究センターには、新元素として認められた113番元素「ニホニウム」が合成された加速器があり、発表後に見学することができました!
ちなみに、本センターの名称は、理化学研究所において日本初のサイクロトロン(加速器の一種)を作った仁科芳雄博士に由来しています。
施設見学を通して、仁科博士が建設を主導したサイクロトロン加速器(1937年完成) の歴史を知ることができました。国際情勢が緊迫する中でも、多くの海外研究者が仁科博士に協力し、日本初、世界で2番目にできたサイクロトロンでした。
しかし、第二次世界大戦後、そのサイクロトロンは軍事用と誤解され、GHQによって東京湾に投棄されています。
戦争と科学は相容れないものであることを、改めて考えさせられました。これからも、多くの人が純粋に科学に向き合える環境が続くことを願っています。
最後に、この討論会に参加するにあたり、ご協力くださった先輩方・先生方に深く感謝申し上げます。